高血圧 -その1-
英語で、高血圧のことをSilentkiller(静かな殺人者)と言います。
言い得てれて妙と言わざるを得ない。多くの場合、元気だった人が急にたおれ、運が悪ければ死ぬまである。
そして、病気になる前と同じように見かけ上でも殆ど同じに回復する人は少数派で、何らかの障害を残して安定した状態になる。高齢になってからならともかく、若い頃、50才代、60才代でなると大変である。早い人では30才代でなる人もいる。不幸にして亡くなられた場合は別にして、手当てが早ければ殆ど助かるし、その後、そのような人は生きる期間が長いので、本人も然ることながら、周りも大変である。
この病気は本人が気づいていれば、大部分は防げる病気であるので、この病気について、私の考えている事を書きますので、自分でどうすれば防げるか考えて貰いたいと思います。 血圧とは心臓から血管に血液を送り出す際の血管壁にかかる圧力です。その圧力は、血管抵抗×血流量で、血圧が決まります。電圧は電流×抵抗が電圧と同じで似ています。 ただ、人間の場合、血管抵抗は加齢により動脈硬化が起り、血管が硬くなり血管抵抗が増えていく。これは、どうしようもない事で、動かしようも無く血流量を減らすか血管を拡張することにより血圧を下げることになります。
血管を拡張したり収縮したりして血圧をコントロールするのは、自然に備わった我々の機能ですが(自律神経がコントロールしています)、これは我々の意思でどうにかなるものではないので、我々が血圧を上げないためにできることは塩分制限であります。 我々の血液中の塩分濃度は、一定に保たれており塩分をとり過ぎると血流量が増え血圧が上がります。
また、塩分は腎臓から排出されるので、塩分をとり過ぎると塩分が細胞内に排出され、浮腫(むくみ)が起こります。だから、腎機能が落ちた人は塩分制限されます。
ただ、私が医師になった頃の減塩食は、1日6g程度で殆ど味が無いと思っていましたが、現在WHO(世界保健機構)の適量の塩分は、1日6gです。
栃木県は一日平均12.8gとっているので、WHOの基準の2倍以上な訳で、脳卒中(脳血管障害)が多い訳です。
人間が生きていくために、どうしても必要な塩分は、1日1g位です。 だから塩分摂取量の少ない民族、アラスカのエスキモーや南米アマゾンに住んでいるツチノミ族に、高血圧が無かった。現代人と交流を持ってから高血圧が出現したといわれています。 また、20年以上前の話ですが、秋田県が脳卒中日本一でしたが、秋田県知事が音頭を執って、その対策をした為、今は日本一返上し、また東北六県もそれにならない、現在は栃木県が脳卒中発症率日本一です。
是非、今、高血圧で無い人も、将来高血圧にならない為にも、塩分制限してください。少なくとも、1日10g以下にしてください。
ラーメンは絶対スープを飲まないこと、一杯飲むと塩分量が5gです。 味噌汁は一杯、塩鮭は一切れが普通3gです。計算するとすぐ10gを超します。 ちなみに私は、すし、刺身を食べる時、しょうゆは最初だけで継ぎ足ししません、おしんこにはしょうゆをかけません、生野菜は何もつけません等、心がけていますが、まだ10g以下になっていないかも知れません。
ただ少しでも、長生きしたいと思ったら、減塩に努めてください。