みらい在宅医療総合クリニック水戸

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ダイエット

 先日、私の友人の息子さんが無理なダイエット?をして大変な思いをしたとの話を聞いたので、これを書く気になりました。基本的に普通の状態での体重は、何日間位かわかりませんが、数日間か数週間位の摂取カロリーと消費カロリーのバランスを取るのにちょうどよい体重で安定しています。  この安定を壊さないと体重は減らないので、体重を減らして安定させるのは大変です。基本的に摂取カロリーを減らし、消費カロリーを増やし、その差をマイナスにするしか、体重を減らす方法はありません。
 誰でもわかる話です。
 体重の増減に直接関わりがあるのは、殆どが皮下脂肪です。皮下脂肪は、我々の日常生活における貯金と考えてください。我々は日々、月々でも良いですが、いくらかかるか必要経費を計算して生活を維持していると思います。体も同じで、日々、必要なカロリーを計算して消費しています。それもぎりぎりでなく余裕を持たせている等で、何か特別な費用がかからなければ、普通貯金は下ろさないと思います。それと同様、体も体重を減らすには日々余裕を持ったカロリーを全部消費した後で、貯金同様、皮下脂肪をカロリー消費に使い始め、初めて体重が減り始めます。殆どの人は体重が減り始めるころダイエットを止めてしまうので、失敗していると思います。
 一生続けなければならない訳ですから、コーヒーに砂糖を入れていた人が止めれば、200~300g位は減るかと思います。また、酒を飲む人が止めれば、余計に食べたら別ですが、大抵は1~2㎏位は減るかと思います。
 だから巷間、いろいろダイエット方法が言われていますが、体に全く害がないで体重を減らす方法は、食事を減らし消費カロリーを増やす(動く)しかありません。
 その為には、強い意志を持ってするしかありません。
 ボクシング選手のように食事を無理に減らせば、体重を減らすことはできますが、すぐ食事をもとにすれば戻ってしまいます。
 例えば、大相撲の関取が「甘い清涼飲料水を飲むのを止めたら10㎏位痩せた」と言っていた人がいましたが “甘い清涼飲料水を飲まない” というのでも一生続けなければならないとなると大変です。
 食事を減らすのもそうです。食事を一食抜くのもそうですが、カロリー計算をして食べることです。
 生体にはホメオスターシス(恒常性)があり、食事を減らせばすぐ痩せ、増やせばすぐ太るのでは困るので、恒常性を簡単に損なわないように、体重を増減しないように、脳より指令が出されています。その為、その生体の恒常性の中心の体重は、現在の食事の摂取カロリーと消費カロリーから50kgとすると、その恒常性を2kg下げるには、どのくらいカロリー摂取を減らし、消費カロリーを増やす必要かを模索することになります。
 食事を一口でも二口でも減らすこととしても、かなり長期間続けなければ、成果は出ませんが、食事を減らした分だけ体重は減るという事です。安易な方法はありません。

医療法人社団 医宝会
理事長  宝住 与一