サプリメント
先日、名前は忘れましたが、タレントの誰かが、あまりに多種類のサプリメントを飲んでおかしくなった話が出ていましたが、サプリメントがどのくらい効果があるのかは分かりませんが、新聞、テレビで宣伝する場合、害がなければ法律に違反しない訳で、私は多くの場合、殆んど効果がなく、詐欺に近いと思っています。
サプリメント(英語で増補、補追、補助等の意)で、あくまでサプリメントでしかない。直接吸収して有用な働きをするものは薬となり、余り効果がないので補助品としてサプリメントと称して売る訳であります。
私は、いつも患者さんに話すのは「筋肉が落ちたら、肉を食べれば筋肉が増えると思いますか」と聞きます。サプリメントは、体の中に取り込んで、成分が分解され体の中で、その人の体に適合した物質に合成されるというものであります。今、毎日宣伝されているもので言いますと、毎日のように宣伝している軟骨成分コンドロイチンです。これは、分子量が多くて、直接腸から吸収出来ないので、分解されて吸収され体の中で再合成されることになるので、肉を食べて筋肉になるのと変わらない。筋肉になる成分は多いかもしれません。と同じく、コンドロイチンそのものも分解されて、人間に適合したコンドロイチンになる成分は多いかもしれませんが、軟骨になるための成分は、他の食品からとった場合と変わらない。だからわざわざコンドロイチンそのものをとっても、私はほとんど無駄だと思っています。ほとんど他の食品と変わらない。コンドロイチンになる成分というなら、焼き鳥の軟骨の方がよほど良いと私は思います。
「子供にお菓子でも買ってやってくれ」と親にお金を渡すみたいなもので、何につかわれるか分からないのと同じです。 という訳で、私は基本的には、楽をして健康になろうと思わないで、食物から面倒でもとった方がよいと思います。
これは上野動物園の園長に以前聞いた話ですが、タレントの西田敏行が好きだった、今は死んでしまいましたが、ブルブル”というゴリラがいまして、体の毛をむしって胃の中に毛球が出来て困った。よく毛球は他の動物でも出来ますが、消化されないので手術して取り出すしかありません。
そこで、どうしてだろうと考えた時、野生のゴリラの1日の生活を考えた時、何時間もほとんど1日中食物を食べている。栄養の少ない植物を食べてあれだけの体を維持している訳で、8時間~10時間以上食物を探して食べている。それが動物園に来て、栄養満点の食事をして1時間もかからないで食べて、あとは何もすることがない。結局、毛をむしって食べるくらいしか時間をつぶすことができないという訳で、いろいろな遊具や時間をつぶすことをさせたら健康が回復したという事でした。
これは、我々にとっても簡単になんでもできるようになって、本当に健康になったのかどうかです。 余った時間をうまく使っているでしょうか。胃腸や体の機能も少しは使わないと駄目になるので、良い事ばかりではない。
我々の学生の頃は、勉強するにあたり我々が簡単に使えるコピー機もビデオも無かったし、インターネットも無かった。
また、講演の際には、スライドコピーやレジメを貰うこともなかった。ただ、私は現在の状態が悪いと言っているわけではありません。大変良いと思っています。しかし、今の人は、学力のレベルが上がったのでしょうか。面倒でも家に帰ってからスライドコピーやレジメを見なければ同じです。
その当時メモをしていた方が身になっていたように思うのは私だけでしょうか。
という訳で、汗をかかないことはよくない。私はサプリメントは金がかかるだけで何も良い事はあまり無いと思っています。効くと信じている人は、いくらかは効果があるかもしれませんが。
お金に余裕のある人は、是非是非飲んでください。